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大いなる幻影 1999年12月11日公開 上映時間:95分 製作:ユーロスペース・映画美学校 共同製作:日本スカイウェイ 配給:ユーロスペース・映画美学校 宣伝:ビタース・エンド |
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INTRODUCTION
不安定な世界の中で、恋人たちは永遠を見つけだす。 世紀末の喧噪も、新世紀を迎えた高揚も過ぎ去った2005年。国内には様々な国籍を持つ人々が暮らし、外には外出もままならないほどの花粉が舞っている。恋人同士のハルとミチは、出会った頃のときめきは失っていたが、そんな世界の中で落ち着いた関係を手に入れていた。ハルは音楽関係の仕事に就いてはいるが、全てを持て余している。今となっては、自分が消えてなくなりそうな不安を追い払うことで精一杯だ。ミチは郵便局の受付をしながら、ときどき海外小包を失敬している。小包の中身は彼女のコレクションとなり、彼女のここではないどこかへ馳せる想いは強くなってゆく。 2000年を過ぎてから、何があったのか調子が悪いコピー機にミチは悪戦苦闘しているし、生殖能力を奪ってしまう花粉症の新薬テストが行われ、戦争でも起こっているのか海の向こうからは兵士の死体が流れ着く。鳴り続ける警報機の音の中、向いのアパートの女がミチの部屋に逃げ込んで来るように、様々な不安が当たり前のように彼らの生活に飛び込んでくる。映画の中では描かれていない部分への興味、疑問を見るものに感じさせながら、ひたすらにハルとミチの関係を描いてゆく。 |
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