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地雷を踏んだらサヨウナラ
1999年12月04日公開
上映時間:1時間51分
配給:シネカノン
製作:チーム オクヤマ
協力:Nikon

CAST
浅野忠信
ROBERT SLATER
THORNG DARACHHAYA
PENG PHAN
CHAO CHANNARY
川津祐介
羽田美智子
VO SONG HUONG
三輝みきこ
山田咲耶
名取幸取
平尾仁
PINYO JANESOMBOON
O-PAS JANESOMBOON
矢野健一
市毛良枝
・・・その他


STAFF
原作:一ノ瀬泰造
「地雷を踏んだらサヨウナラ」
(講談社文庫)
プロデューサー:奥山和由
演出:大山幸英
:桜井勉
音楽:安川午朗
撮影監督:岡雅一
照明:山川英明
サウンドミキサー:武進
編集:川島章正
シナリオ:牧野千恵子
美術:柴田博英
音響効果:渡部健一
アシスタントディレクター:田中徹
脚本:丸内敏治
監督:五十嵐匠
Dedicated to :一ノ瀬清二・信子
紀子・淑乃・久美子


INTRODUCTION
 民族解放軍クメール・ルージュと政府軍との闘争が激化するカンボジア。1972年、首都プノンペンには、世界的スクープを狙う野心満々のジャーナリストたちが集まっていた。25歳の一ノ瀬泰造(浅野忠信)もその一人。解放軍の聖域である遺跡アンコールワットを撮り、ピュリッツァー賞をとるのが彼の夢だ。しかしその近辺では西側を敵視するクメールりレージュによって、何人ものカメラマンや記者たちが命を落としていた。

 ある日、銃撃戦のさなか、間一髪で命拾いをした泰造は、白人カメラマンのティムと知り合う。あざといやり方でスクープをものにする者もいる中、淡々と写真を撮り続ける彼に親近感を覚える泰造。だが従軍カメラマン経験の長いティムは向こう見ずな若者の取材姿勢を案ずる。「俺は臆病だから生きてこれた。戦場で大事なのは危険を察知する能力だ。お前にはそれが欠けている」佐賀の実家では両親が泰造の安否を気づかっていたが、戦地シアムリアップでは高校教師で親友のロックルー、その親類でレストランを営むマダムや幼いソッタとチャンナ兄弟らが、彼にとっての家族だった。しかし子供たちはロケット弾の犠牲になってしまう。兄は即死、弟は耳をやられた。こみあげるものを抑えつつファインダーを覗く泰造。だが、シャッターを切ることは……。

 その後も泰造は前線に飛び出していくが、政府軍は彼に機密漏洩の疑いをかけ、ついに国外退去を命じる。泰造はカンボジア以上に戦火の激しいベトナムヘ。戦場でのティムとの再会。それも束の間、目の前で彼は砲撃に倒れる。弾除けのお守りにしていた妻のストッキングを巻いたまま、カメラマンは息絶えた。彼の行きつけのカフェで亡くなった友を偲ぶ泰造は、ウェイトレスのレ・ファンと出会う。清楚な美しさに凛々しさをたたえた彼女にひかれた泰造は、ある日、写真を一緒に撮ろうと誘うのだが、レ・ファンは首を縦に振らない。「写真は結婚する人とだけ……」死んだティムのことを想っていたのだ。

 そんな中、毎日新聞の松山記者がカンボジア取材を持ちかけて来た。裏ルートで密入国し解放軍に接触するという。政府軍のブラックリストに載っている泰造にとって、これは最後のチャンスだ。死にに行くようなものだと言うレ・ファンに彼は告げる。「どうしてかわからないけど、大事な人が死んでいくたびに、アンコールワットヘの想いが強まっていくんだ……」カンボジア行きの輸送船に乗り込もうとする泰造。見送らないと言っていたレ・ファンが現われる。白いアオザイ姿の彼女は、まるで花嫁のよう。「今でも一緒に写真を撮りたい? 必ず生きて帰ってきて!! 」

 アンコールワットにとり懸かれた男を乗せた船は集中砲火を浴び、死者を出しつつもようやく到着。九死に一生を得た泰造は最前線へと旅立つ前に、ロックルーの結婚式に出席する。砲声轟く中、幸せをかみしめる親友を写真に収めていく泰造。だが、それは別れの儀式となってしまうのだった…。

Note




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