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12 大沢家・居間

 窓辺のスリーショット。

そのみ「……あっ、いた。変な鳥」
武 雄「え? どこどこ?」
華 子「(見つけて)まあ本当。変な鳥」

 ピンポーンというインターホンの音。

そのみ「来たみたい、ピザ」

 時計の針は、6時44分。

華 子「(時計見て)惜しいわ。もう少しで次回も無料なのに」
武 雄「どこだ? 変な鳥は。ん?(とキョロキョロ)」
そのみ「(立ち上がり)あたし行ってくるわ」
華 子「お願いね」

 玄関に行く、そのみ。

武 雄「(華子に)おい、教えてくれ。どこだよ」
華 子「ホラ、あそこに……あら?」
武 雄「え?」
華 子「どっか行っちゃったわ……」
武 雄「おいおい」


13 同 ・ 玄 関

 玄関のドアを開けると、マチコがいる。

マチコ「お待たせしました、ピザレッドです(と、ピザの箱とサラダの入った袋を渡す)」
そのみ「(受け取り)30分過ぎたから、無料でしょ?」
マチコ「(悔しそうに)……はい」
そのみ「(袋を見て)あれ? コーラは?」
マチコ「あ……ソノ……コーラはちょっと」
そのみ「サービスじゃないの?」
マチコ「気圧の関係で……」
そのみ「すぐ持って来て」
マチコ「えっ?」
そのみ「だってサービスなんでしょ?」
マチコ「……はい」
そのみ「7時までに持って来れなかったら、1時間オーバーで、永久無料だからね」
マチコ「……」

 ドアをガチャッと閉める、そのみ。


14 エレベーター内

 下りのエレベーターに乗っている、マチコ。
一人でポツンと椅子に座っている。
そこには、エレベーターガールもいない。

マチコ「まいったなあ、下りは全部各駅なのか……。ま、あのスピードで降りられたら、死んじゃうけどね(と呟く)」

デジタルの数字は順調に下降していく。
だが、「130」を過ぎると突然減速する。

×      ×      ×

チーンという音がして、ドアが開く。
そこは、125階だった。

マチコ「あ……」

乗って来たのは、ジョニーとキャッシー。
ジョニーとキャッシー、100階のボタンを押す。

マチコ「(うつむいてじっとしている)」

ドアがゆっくり閉まる。

×      ×      ×

下降して行く、エレベーター。
マチコの姿をじっと見つめる、二人。

マチコ「……」
ジョニー「どっかで見たような人が乗ってるよ、キャッシー」
キャッシー「本当ね。どっかで見たような人ね、ジョニー」
マチコ「……」
ジョニー「さっきは二人で急行料金400円も無駄にしちゃったよなあ、キャッシー」
キャッシー「大丈夫。きっとこの、どっかで見たような人が払ってくれるわよ、ジョニー」
マチコ「そんな!!」
ジョニー「(カッターを出し、キリキリと音を出す)」
キャッシー「(チェーンを出し、ブンブンと回す)」
マチコ「は……払います(と、立ち上がる)」

マチコ、財布を出し、渋々一万円札を出す。

マチコ「おつり……あります?」
ジョニー「俺はない。おつりはあるかい、キャッシー」
キャッシー「あたしはないわ、ジョニー」

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