| 窓辺のスリーショット。 | |
| そのみ | 「……あっ、いた。変な鳥」 |
| 武 雄 | 「え? どこどこ?」 |
| 華 子 | 「(見つけて)まあ本当。変な鳥」 |
| ピンポーンというインターホンの音。 | |
| そのみ | 「来たみたい、ピザ」 |
| 時計の針は、6時44分。 | |
| 華 子 | 「(時計見て)惜しいわ。もう少しで次回も無料なのに」 |
| 武 雄 | 「どこだ? 変な鳥は。ん?(とキョロキョロ)」 |
| そのみ | 「(立ち上がり)あたし行ってくるわ」 |
| 華 子 | 「お願いね」 |
| 玄関に行く、そのみ。 | |
| 武 雄 | 「(華子に)おい、教えてくれ。どこだよ」 |
| 華 子 | 「ホラ、あそこに……あら?」 |
| 武 雄 | 「え?」 |
| 華 子 | 「どっか行っちゃったわ……」 |
| 武 雄 | 「おいおい」 |
| 玄関のドアを開けると、マチコがいる。 | |
| マチコ | 「お待たせしました、ピザレッドです(と、ピザの箱とサラダの入った袋を渡す)」 |
| そのみ | 「(受け取り)30分過ぎたから、無料でしょ?」 |
| マチコ | 「(悔しそうに)……はい」 |
| そのみ | 「(袋を見て)あれ? コーラは?」 |
| マチコ | 「あ……ソノ……コーラはちょっと」 |
| そのみ | 「サービスじゃないの?」 |
| マチコ | 「気圧の関係で……」 |
| そのみ | 「すぐ持って来て」 |
| マチコ | 「えっ?」 |
| そのみ | 「だってサービスなんでしょ?」 |
| マチコ | 「……はい」 |
| そのみ | 「7時までに持って来れなかったら、1時間オーバーで、永久無料だからね」 |
| マチコ | 「……」 |
| ドアをガチャッと閉める、そのみ。 |
| 下りのエレベーターに乗っている、マチコ。 一人でポツンと椅子に座っている。 そこには、エレベーターガールもいない。 | |
| マチコ | 「まいったなあ、下りは全部各駅なのか……。ま、あのスピードで降りられたら、死んじゃうけどね(と呟く)」 |
| デジタルの数字は順調に下降していく。 だが、「130」を過ぎると突然減速する。 × × × チーンという音がして、ドアが開く。 そこは、125階だった。 | |
| マチコ | 「あ……」 |
| 乗って来たのは、ジョニーとキャッシー。 ジョニーとキャッシー、100階のボタンを押す。 | |
| マチコ | 「(うつむいてじっとしている)」 |
| ドアがゆっくり閉まる。 × × × 下降して行く、エレベーター。 マチコの姿をじっと見つめる、二人。 | |
| マチコ | 「……」 |
| ジョニー | 「どっかで見たような人が乗ってるよ、キャッシー」 |
| キャッシー | 「本当ね。どっかで見たような人ね、ジョニー」 |
| マチコ | 「……」 |
| ジョニー | 「さっきは二人で急行料金400円も無駄にしちゃったよなあ、キャッシー」 |
| キャッシー | 「大丈夫。きっとこの、どっかで見たような人が払ってくれるわよ、ジョニー」 |
| マチコ | 「そんな!!」 |
| ジョニー | 「(カッターを出し、キリキリと音を出す)」 |
| キャッシー | 「(チェーンを出し、ブンブンと回す)」 |
| マチコ | 「は……払います(と、立ち上がる)」 |
| マチコ、財布を出し、渋々一万円札を出す。 | |
| マチコ | 「おつり……あります?」 |
| ジョニー | 「俺はない。おつりはあるかい、キャッシー」 |
| キャッシー | 「あたしはないわ、ジョニー」 |