| そこは、ラブホテル。廊下を歩いていく、カメラ。 男の手が、部屋の鍵を開ける……。 それは、女ったらしのタレント・羽賀々研二の目線の映像である。 以下、これらの「記憶」のシーンは、主観映像によるワンカットで表現される。 音楽と共に、タイトル「第7話 ある愛の詩」。 | |
| 女 | 「まぁ、素敵な部屋」 |
| その声に隣を見る。カメラ。 彼の横には、女がいる。若くて肉感的な、女。 |
| 部屋のテレビを食い入るように見ている、父。 | |
| 父 | 「(嬉しそうに)完全に私のストライクだ」 |
| テーブルの上には、ディスクの空ケースがある。 |
| 「千人斬りタレント・羽賀々研二の記憶」というタイトル。 |
| 部屋に落ち着いた、カメラの女。 | |
| 女 | 「(カメラに向かって)ねぇ、その眼鏡、記憶用の眼鏡?」 |
| 声 | 「そう」 |
| 女 | 「(いたずらっぽく笑って)あたしのこと、記憶に残すつもりね?」 |
| 声 | 「いっひっひ(といやらしく笑いながら頷く)」 |
| ベッドに腰掛ける、女。カメラも座る。 目線、女のブラウスの胸元に釘付けになる。 その角度からは、胸の谷間が丸見えだ。 | |
| 声 | 「お……おお(と唾を飲み込む)」 |
| 女 | 「やん、見ないで」 |
| 声 | 「(目線を逸らし)おっとこりゃ失礼」 |
| だが、また見てしまう。 | |
| 声 | 「……」 |
| 女、やがて、真面目な顔になり……。 | |
| 女 | 「ケンちゃん……」 |
| と、カメラを見つめる。 カメラ、ゆっくりとその顔に近づいていく。 目を閉じて口づげを待つ、女。 |
| テレピの前で、自分も思わずキスの顔になる、父。 |
| 口づけを終え、カメラ、女から離れる。 | |
| 女 | 「……」 |
| 手はゆっくりと女の身体へ伸ぴる。 |
| 声 | 「(またもや唾を飲み込む音)」 |
| そして、ボタンをひとつずつ外し始める。 視聴者も思わず唾を飲みこんだ、その瞬間、 | |
| 愛の声 | 「またこんなもの見てるの? パパ」 |
| 父、ハッと気がつくと、背後に娘の愛がいた。 | |
| 父 | 「あ、愛!!」 |
| 愛 | 「(ディスクケースを手に取り)誰の記憶?」 |
| 父 | 「イヤ、その……(リモコンでテレビを消し)昔のタレントさんの記憶でな……」 |
| 愛 | 「趣味悪いわよ、他人の記憶を見るなんて。(タイトル読んで)何? 千人斬りって?」 |
| 父、慌てて愛の手からディスクケースを奪い取る。 | |
| 父 | 「いいんだ、おまえはそんなこと知らなくて」 |
| 愛 | 「こんなディスクを見てること、ママに知られたら大変だわ」 |