Top
<<>>
1・2・3456789


 
「大丈夫さ。パパとママは愛し合ってるんだから。で、何だ。パパに何の用だ」
「教えてほしいことがあるの」
「ん? また何か、ド忘れしたのか?」
「うん」
「おまえ最近モノ忘れがひどすぎるぞ」
「あたしたちの世代はさ、産まれた時から記憶再生装置があるのよ。どうでもいいことは頭に記憶しないの」
「で、何を忘れたんだ、今日は」
「名前なの」
「名前? 誰の?」
「ミュージシャンよ、パパの好きな」
「ビートルズか?」
「ビートルズはわかってるの」
「ははあ、リンゴ・スターだな。あれは一番目立たないからな。結構忘れやすいんだよ」
「ううん、リンゴ・スターは覚えてたのよ」


5


「じゃ、ポール。ポール・マッカートニー」
「違うの。ポール・マッカートニーじゃなくて、ジョン・レノンでもなくて……」
「えーっと……ポール・マッカートニとジョン・レノンとリンゴ・スターと……」
「あと一人は?」
「あれ? あと一人誰だっけな」
「ねえ、誰? どうしても思い出せなくて気持ち悪いの」
「えーっと、ポールにレノンにりリンゴ・スター……あとは……えーっと……」
「もう。記憶再生装置で調べればいいじゃない」
「あ、そうか。これで調べればいいんだ」

父、テレビの横にある機械を見る。
それは、パソコンのような機械。

オープニングタイトル(森の中)



6


  古い洋館。
テロップで、「A.D.2100」

Na「西暦2100年、つまり今から百年以上も先の未来。そこには、空飛ぶ自動車もタイムマシンもない……。未来の私たちは、現代よりもずっと古めかしく質素な暮らしを送っていた。---百年の間、人類はいったい何をして来たのだろうか。技術の革新は止まってしまったのだろうか? 新たな発明や発見を放棄してしまったのか?」

メインタイトル「いとしの未来ちゃん」


洋館・少女の部屋

 洋館の中に暮らす。少女と妹。

Na「その秘密は、2100年に住むこの少女たちが知っていた。これは、はるか未来に語られる、ちょっと未来の物語……」

ベッドにいる、二人。


7


「ねえお姉ちゃん、記憶再生装置ってなあに?」
少女「思い出を記憶しておいて、いつでも見られる機械のことよ」
「ビデオ?」
少女「そう、すごく性能がいいビデオ」
「ふーん」
少女「でも、もうないわ」
「……やっぱり」
少女「じゃ、お話してあげる。むかしむかし、あるところに記憶再生装置を持つ人がいました」


7 杉田家・リビング

 テロップで、「once upon a time(A.D.2030)」
パソコンの前に座っている、愛と父

「……ビートルズって検索したら、20件も出てきたわ」


8


<<>>
1・2・3456789