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 目を閉じる、若き日の母に近づいていく、カメラ。


20 杉田家・リビング

 テレビの前の家族。
父も母も、口づけの顔になっている。

「(二人を見て)……またか。ねえねね、これがパパとママの結婚式?」
「ああ。二人は、永遠の愛を誓ったんだ」
「幸せな頃だったわ……」


21 父の記憶(主観)

  ゆっくりとフォーカス・インしていく、映像。
テロップで「No.1-1」「2007年5月15日」
腕時計を見ている、手。
----そこは、色鮮やかな花が咲く、美しい公園。


21




22 杉田家・リビング

 テレビの前の家族三人。

「これは?」
「(思い出して)初めてのデート……」
「そう、パパが、初めて記憶を残した日だ」


23 父の記憶(主観)

 カメラに向かって、若き日の母が歩いていくる。

若き日の母「ごめんなさい、遅くなっちゃって」
父の声「いや、僕も今来たところさ」
若き日の母「そう、良かった」


24 杉田家・リビング


22


 テレビの前の家族三人。

「ホントは30分も待ってたんだ」
「そうだったの……?」

 見つめ合う、父と母。


25 父の記憶(主観)

 カメラ、若き日の母とともにゆっくりと歩いている。

若き日の母「なあに、その眼鏡」
父の声「ああ、記憶を残す眼鏡なんだ」
若き日の母「記憶を残す眼鏡?」
父の声「小型で高性能のカメラが内蔵されてるんだよ。かけてみるかい?」
若き日の母「うん」
  プツン。画面が黒くなる。


26 母の記憶(主観)


23


  ゆっくちとフォーカス・インしていく、映像。
そこには、若き日の父の姿。
若々しいファッションに、身を包んでいる

若き日の父「君が見ているこの映像が、ディスクに記憶されるんだよ」


27 杉田家・リビング

  テレビの前の三人。

「若い頃のパパ?」
「かっこいいわねー」
「はっはっは。全然変わんないだろ?」
「うん。若いのに、おっさん臭い」

 すっかり笑顔が戻った、母。

「想い出を残しておけるって、素晴らしいことね」
「だろ?(愛に小声で)良かった……。機嫌直ったみたいだぞ」


24


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